ハ「なんだってー?321サヴァイヴ?」

星ばあさんに詰め寄るハワード。

星「そうじゃ。全部で321サヴァイヴじゃ。他でもこれくらいのもんじゃ。」

ハ「赤いヤツがいただろ、あれは値打ちもんじゃないのか?」

星「あれは、ここのカーペットの素材で変色しとるだけじゃ。ただのブリキ虫じゃわい。」

ハ「そんなあ・・・」

がっくりと肩を落とすハワード。

星「さあ今度は浴槽の掃除じゃ。ゴシゴシとしっかり磨くんじゃぞ。」

ハ「あ〜あ、あれだけ苦労したのに・・・」

ル「321サヴァイヴついでに儲かったんだからいいじゃない。」

メ「そうだ。それに浴場のほうに黄金のヤツがいるかもしれないぞ。」

ハ「そうか・・・そうだよな。よしいくぞカオル。今度は浴槽の探索だ。」

カ「掃除、だろ。」

ハワードの後にカオルがつづく。

 

べ「ただいま。」

ル「あ、ベル。おかえり、ご苦労様。」

シャ「うわあー今日は一段と真っ黒ね。」

ベ「うん。今日はちょっと大変な作業だったんだ。」

ル「お風呂にする?ご飯が先?」

べ「あ・・・お、お風呂にするよ。」

 

チ「なんや新婚さんみたいなセリフやな。」

ル「あ、チャコおかえり。新婚さんって?」

チ「お風呂にします?ご飯にします?ってそりゃ新婚さんやがな。」

ル「?そんなことないわよね。ね、ベル?」

ベ「う、うん。あ〜、えっと。」

チ「みてみいベルもこまっとるがな。」

ル「チャコがからかうからでしょ。」

チ「わかってへんなあ。なあシャアラ。」

シャ「え、ええそうねえ。」

ちょっと戸惑うシャアラ。

メ「シンゴは一緒じゃなかったのか?」

チ「もうそこまできとるわ。」

シ「た、ただいま〜。」

メ「どうしたんだ?シンゴ。大丈夫か?」

チ「工場の社長のポルト爺さんに随分しごかれてなあ。だいぶまいったみたいやでぇ。」

ル「大丈夫?シンゴ。」

シ「う、うん。平気だよ。それよりおなかすいたよ〜。」

シャ「もうすぐご飯だから。」

星「ふん、帰ったんかー。」

ベ「あ、はい。すいません掃除とか手伝えなくて。」

星「ふん。大温泉大いなる木は労働者の為のものじゃ。精一杯働く者に文句などないわい。」

シンゴと目が合うと、ニッと笑う。

不気味だ・・・。

 

メ「おい、シンゴそんなに食べて大丈夫なのか?」

シ「育ち盛りだからね。食べられるだけ食べたいんだ。」

ベ「よっぽどお腹減ってたみたいだね。」

シャ「仕事大変なのねえ。」

シ「でも、勉強になることが多くて、ポルトさんもファーロさんも尊敬できる腕のいいメカニックなんだ。」

シャ「へえー。」

シ「それより黄金のなんとか虫は見つかったの?」

ル「駄目だったわ。でも、普通のブリキ虫を見つけて321サヴァイヴもらったわ。」

ハ「僕はまだ諦めてないぞ。」

シ「321サヴァイヴか・・・」

メ「どうしたんだ?シンゴ。」

シ「いや・・・やっぱりお金を稼ぐって大変なんだね。僕甘くみてたよ。」

 

ベ「どれくらい必要かわかったかい?」

シ「・・・やっぱり、安全面とかも考えると800万から1000万くらいは・・・」

頭をかいて難しい顔をするシンゴ。

メ「1000万か・・・」

ハ「今どれくらいあるんだ?」

ル「住む所が決まったから大分助かったのよ。1万以上あるわ。」

ルナが明るく言う。

メ「一万か・・・あと千倍だな。」

メノリの言葉にシュンとなるルナ。

カ「俺はハンターをやるつもりだ。」

ハ「いきなり何言い出すんだ、カオル。」

ベ「ハンターって?」

カ「この星には希少価値の高い動植物、鉱物、機械等が存在している。それを狩る職業だ。」

ハ「ブリキ虫みたいなやつか?」

シャ「危険じゃないの?」

カ「危険もあるだろうが、人の役に経つ職業だ。」

メ「儲かるのか?」

カ「やり方次第だ。」

チ「ルナはどう思う?」

ル「・・・いいんじゃないかな。危険なのは心配だけど、誰かの為になる仕事ならいいことだと思う。」

カオルが安心したようにふっと息をはく。

ル「でも気をつけてね。」

カ「ああ。わかってる。」

 

お風呂からあがるとルナは、一人ソファーに座って考え事をしていた。

チ「どうしたんや?」

ル「チャコ・・・うん、私もはやく自分にできる仕事をみつけないと駄目だなって思って。」

チ「ここで留守を守るのも立派な仕事やないか。」

ル「うん、でもコロニーに帰る為には自分もなにかしないとなあって思うの。みんな頑張ってるのに、私だけ・・・」

チ「あせることあらへん、そのうちみつかるがな。」

ル「そうかなあ。」

チ「そうや、ルナなら大丈夫や。ハワードみたいに能天気に構えるのも時には大事やで。」

ル「アハハ、そうね。」

チ「まだ宇宙開発の技師は無理かもわからんけど、ルナにふさわしい仕事がみつかるはずや。」

ル「ありがとう、チャコ。いつもそばにいてくれて。」

チ「ウチはずっとルナのそばにおるで。」

ル「うん。」




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