シオ「どうだった?」
メ「私はお笑いのことはわからないが・・・」
シオ「面白いと思ったか、面白くないか正直にいえばいいんだよ。」
メ「前後関係が理解できれば面白いかもしれないな。」
シオ「あんまり面白くなかったんだね。」
メ「よくわからないんだ。」
シオ「はは・・・」
今は観客のいない席に腰掛けてシオンは言った。
シオ「メノリは何の為にヴァイオリンを弾くの?」
メ「何の為か・・・そうだな・・・前は両親に言われてやっているうちに好きになっていった。
だんだんと大切になって、命より大切だと思うこともあったが、今は、生活の為だな。」
シオ「でも好きでやっているんだね。」
メ「・・・シオンは違うのか?」
シオ「・・・僕もメノリと同じさ、
日々を生きる為に必要なものを好きなことをやって稼いでいるんだ。」
メ「?」
ポ「おい、小僧。そっちの工具をとってくれ。」
シ「はーい。これだね。」
ポ「ううん?なんじゃこれは。ワシがやっているのをみて、なにが必要か把握せんかい。」
シ「だって、僕も自分のことで手一杯なんだ。ポルトさんのところまで把握するのは無理だよ。」
ポ「ううん、この馬鹿もんがあぁー。
メカニックは全ての構造と状況を把握して、頭と体をうごかすんじゃ。」
シ「え、え〜。そんなぁ。無理だよー。」
ポ「お主はまだまだ子供気分がぬけんようじゃな。知識と経験だけでなく、広い視野に気概と根性と言葉遣いも足りんわ。」
シ(全部たりないんじゃないか。)
ファ「ははは、シンゴの星では二十歳くらいまでは子供なんだよな。まだ12なんだ無理もないよ。」
ポ「うるさい、そんなもん関係ないわ。この星ではもう一人前として働く年齢じゃ。」
機械に頭をつっこんだままポルトさんがどなる。
シュンとなるシンゴ。
ポ「それに偉そうなこと言っとるが、ワシからみたらお前も子供じゃ。」
顔がみえないままポルトさんの声が飛ぶ。
ファ「おっとやぶ蛇だったか。じゃあなシンゴ、そのうるさい爺さんの相手を頼むぜ。」
シ「はい、ファーロさん。」
ポ「だれがうるさい爺さんじゃ。」
エンジンをいじりながら、シンゴが言う。
シ「ねえポルトさん、あんなに技術があるファーロさんでもまだまだなの?」
ポ「当たり前じゃ、ワシから見ればな。だがアイツはそれをわかっておらん。
全く・・・独立したいなどと言いおって。」
シ「へえー。ファーロさんなら大丈夫だとおもうけどなあ。」
ポ「まだまだとんでもない話じゃ。」