ル「ただいまー」
チ「おっルナ、おかえりや。」
温泉宿大いなる木の収支を計算していたチャコが振り返る。
ル「ゴメンね。遅くなって。」
チ「なんや?その子供は。」
ル「うん。迷子らしいの。」
?「はじめまして。僕アルドゥラムギェット。」
チ「おう、ウチはチャコや。」
ル「やっと言葉が通じるわ。ねえキミ、大人の人があなたを探していたわよ。」
ア「いいんだ。僕はしばらくここにいるよ。」
ル「いいって、あの人たちが心配するし・・・
ここはご厄介になっているだけで、私達の家じゃないのよ。」
ア「?」
メ「ただいま。」
ル「あ、おかえりなさいメノリ。」
メ「どうしたんだそのコ?」
ル「迷子なんだけど、ついてきちゃったの。」
?「おかえりなさい、僕アルドゥラムギェット。」
メ「ああ・・・」
子供の手がメノリの膝元に伸びる。
メ「?」
ル「あ、ダメッ。メノリ逃げて。」
メ「キャアアーっ。」
ア「もうちょっとだったのに・・・」
メ「な、な、な・・・」
ル「コラッ!アルドゥラムギェット。ダメじゃないの。女の子のスカートをめくっちゃ。」
異星人の子供がビクッと驚く。
ル「女の人はね。デリケートなんだから、大切に扱わなきゃいけないのよ。あなた男の子でしょ。」
ア「フ、フ、フ、フアーーーーーアン!!」
チ「あーあー、泣かしてもうた。」
ル「これくらい叱らなきゃダメよ。ゴメンね。メノリ。」
メ「あ、ああ。」
ル「ホラ、悪いことしたんだから謝って。」
ア「やだ!」
ル「謝るの!」
ビクッ。
強い声にビックリする。
ア「ひっく・・・・・・・・・・ごめんなさい・・・」
ル「メノリ・・・許してあげて・・・」
メ「あ、うん。も、もう2度とするなよ。」
チ「このお姉さんはこわいんやでぇ。」
「チャコッ。」
チ「ジョ、ジョークやがなあ。」
シャ「どうしたのー?泣き声が聞こえたけど・・・」
チ「ああ、この子や。」
シャ「どうしたの?そのコ?」
ル「迷子でね。私についてきちゃったの。」
シャ「こんにちは。名前はなんていうの?」
メ「アヴゥドゥラムラギェットだ。」
ル「違うわよ。ホラちゃんと自分で挨拶するのよ。」
ア「・・・こんにちは。僕アルドゥラムギェットです。」
シャ「まあ、カワイイわねえ。初めまして。アルドゥラムギェット。」
アルドゥラムギェットはニッコリと微笑む。
シャ「でもなんだか呼びにくいわねえ。」
ル「シャアラ。呼びやすい名前をつけてあげて。」
シャ「ええ、う〜ん。」
シ「ただいまー。あーあ、今日もこってり絞られたよ。」
首をコキコキならしながら、シンゴが帰ってきた。
ア「おかえりなさい。」
シ「あ、あれ?ただいま。どうしたのこのコ?」
カ「・・・」
カオルも無言の帰宅。
ル「あ、おかえり、カオル。」
ア「おかえり。カオル。」
カ「?どうしたんだ・・・この子供は?」
ル「それが、迷子で私についてきちゃったの。」
チ「今シャアラが呼びやすい名前を考えてんねん。」
シャ「あーーっ。」
チ「決まったんか。」
シャ「チャコはココの帳簿をつけてたんじゃないの?
計算は終わったの?私催促してくるようにいわれたんだけど。」
チ「せやった、忘れ取った。はよう終わらさんと。」
メ「そうだ、こんなことをしている場合ではない。
このコはこの街の警察にでも届ければ済むことじゃないか。」
ル「警察は・・・」
ハ「帰ったぜー。」
ル「おかえり、ハワード。」
ア「おかえり、ハワード。」
ハ「なんだ?この異星人の子供は?」
ア「アルドゥラムギェットです。迷子でついてきちゃった。」
ハ「?呼びにくい名前だな。アブドゥ・・・アボルムラ・・・ええいアダムでいいや。」
ル「アダムか・・・いいかもしれないわね。」
シャ「そうね。」
ハ「「おい、アダム。お前の家はここじゃないんだ。家に帰るんだ。」
ア「やだ、僕決めたんだ、ココにする。」
チ「?なにをココにするんや?」
ル「なあに、アダム?」
ア「・・・」
ベ「ただいま。」
シャ「おかえりなさい、ベル。お疲れさま。」
ベ「あれ?そのコは・・・?」
シ「迷子だって。」
ベ「迷子・・・」
星「おまんらー飯じゃぞーー。」
星ばあさんの大きな声が響く。
メ「どうするんだ?この子供は?」
ル「うーーん。」
ア「僕おなかすいた。」
ル「仕方ないわね。私の分をあげるから、晩御飯だけ食べていきなさい。
おばあさんに話してみるわ。」
チ「一食くらいかまへんやろ。」
シャ「私の分もわけてあげるわ。」
シ「僕も。」
ル「じゃあいきましょ、アダム。」
ルナの手をとって一緒に歩くアダム。
ア「・・・ルナ」
ル「?なあに?アダム。」
ア「昼間・・・ごめんなさい。」
ル「ああ。」
クスっと笑う。
ル「許してあげるわ。でももうしちゃだめよ。」
ア「うん。もうしない。」
ハ「さあて、飯だ飯だ。」