カオルはハンターの組合施設に来ていた。
昨日の獲物は、7400サヴァイヴで買い取ってもらえた。
生態研究に使うらしい。
(いきなり高値の獲物に手を出すのは難しいだろう。
そうだな・・・次はコイツにするか。)
カオルが目をつけたのは、崖の上のトビウミドリの卵。
ひとつ1000サヴァイヴ。
星「おい、金髪。」
ハ「なんだよ、ばあさん。僕にはハワードJrという立派な名前が・・・」
星「昨日の騒ぎでお前さんが集めた中にレアものがおったで。」
ハ「なんだとー。」
身を乗り出すハワード。
星「混ざってわからんかったんじゃのう。ブルーメタルブリキ虫じゃ。」
ハ「で、そ、そのブルーメタルブリキ虫はい、い、いくらになるんだ?」
星「500サヴァイヴじゃ。」
ハ「ご、ご、500サヴァイヴかあ〜。」
ちからが抜けてガックリとなるハワード。
それを見て不気味ににやりと笑うばあさん。
ハ「なんだよ。なにがそんなにおかしいんだよ?」
星「コイツの本当の使い方はのう・・・」
ア「これを・・・?」
ル「そうよ、こうやって、ゴミを集めて床をキレイにするのよ。」
ア「えいっ。」
舞い散る埃・・・
ジタバタと地団駄を踏むアダム。
ル「もう少し力を抜いて・・・」
シャ「こうやって、自分にできる仕事を覚えていくのね。」
ル「将来どうするか、決める前に、生活する方法も覚えていかなくっちゃね。」
ア「うん。」
星「ブルーメタルブリキ虫はのう、ブルーメタルを集めておる可能性がある。
だから発信機等をつけて、住処を調べるのだが、
お前さんは金もないし、時間も余っておるみたいじゃから・・・」
ハ「こ、こんなのでいくのか?」
ブルーメタルブリキ虫に長めの糸をつけて、その先にハワード、の出来上がり。
星「根気良く探すんじゃぞー。」
ハ「とホホ・・・」
シオ「ますます腕に磨きがかかってるねえ。
もうかなりお客を集められるんじゃない。」
メ「小さい頃からやっているからな。」
シオ「いくつくらいから?」
メ「4つくらいだな。」
シオ「へえ、やっぱり続けるってことは、財産なんだねえ。」
メ「?」
おどけて答えるシオンにメノリは以前と同じ違和感を感じた。
アダムに絵本を読み聞かせるシャアラ。
シャ「いつしか、森の少女は、お花畑に迷いこんでいました。」
ア「ohanabatake?」
シャ「お・は・な、よ。こういう道端にさいているきれいなお花のいっぱい咲いているところ。」
手で丸を作って、手を振ってお花のきらきらを表すシャアラ。
ル「アハハ・・・(言葉を教えるのも大変ねえ。)」
ハ「いったいいつになったら、お宝の山に連れてってくれるんだ?」
ぶ〜ん
ハ「僕だって暇じゃないんだぞ。もし見つからなかったらスクラップだぞ。」
ぶ〜ん
ハ「ちぇっ、お前に話しかけてもわかんないよなあ。」
ぶ〜ん
ハ「はあ〜ああ、なにやってるんだろう僕は・・・」
繋がった糸の端を握りしめたまま、ふらふらとブリキ虫の後をついていくハワード。