シ「いってきまーす。」
ベ「俺もいってくるよ。」
シャ「いってらっしゃい。気をつけてね。」
今日もいつもの掃除を終えて新しい一日が始まった。
ル「さて、とりあえず、昨日の大通りにいってみようか?」
ア「うん。」
ガラガラガラ・・・
大いなる木の玄関口が開いて、お客が入ってきた。
シャ「あ、いらっしゃいませー。」
ル「あ、昨日の・・・」
?「おお、アルドゥラムギェット、探したぞ。全くお前というヤツはいつまでたっても・・・」
ア「お父さん、僕ココに決めたから。」
父「ええ?だってお前・・・」
母「おなた。」
父「ああ、これは・・・どうもすみません。息子のアルドゥラムギェットがお世話になったようで。」
ル「いえ、お父さんとお母さんですか?」
母「はい、全くこの子はちょっと目を離した隙にいなくなって・・・もう私達はいなくなるというのに・・・ご迷惑をおかけしましたね。」
ル「いえ・・・でもいなくなるって?」
父「この子ももう親離れの歳です。親元を離れ新しい環境で生きていく経験を積む為、
この街でよい物件を探していたのですが・・・」
ア「僕ココにするよ。ココがいい。」
父「だってお前あんなに嫌がっていたのに・・・」
父「すいません、いきなり。」
だされたお茶を飲みながら、少し落ち着かれたようだ。
父「それでですね、さすがに一人で生活するのはまだ無理ですので、
どなたかおそばにいてくださるいい異星の方がいたらと探していたのですが、この子ときたら、どの方も嫌がって・・・」
ル「はあ、そうなんですか。」
母「それなのに、あなたには随分なついているようで・・・なにか、あったんでしょうか?」
ル「はあ、まあ、その・・・」
あやふやに答える。
父「それでですね・・・この子もココならと気に入ったようですし、
もしご迷惑でなければこの子に生活の術や常識を教えてはもらえませんか?」
ル「私達がですか?」
母「もし、お嫌でなければ・・・もちろんお仕事として、お礼はいたします。」
ル「仕事・・・仕事かあ・・・」
父「どうでしょう?一月このくらいで・・・」
珍妙な小型電卓を叩く。
ル「う、ううん・・・」
どうしよう。仕事なら待ってましたあ、なんだけど、さすがにアダムをずっと預かるのは・・・
責任重大ね・・・
ル「ううん・・・」
ア「ルナ、僕いい子にしてるから・・・」
アダムのほうを見ると、私をすがるような目でみている。
よし、決めたわ。なんだかアダムとはこのまま別れるってきがしないもの。
ル「わかりました。私達でよければ、アダムを立派な人間として、教育してみせます。」
父「おお。」
母「ありがとうございます。」
ア「わーい。やったあー。」
父「ところでアダムというのは?」
ア「ハワードがつけてくれたんだよ。」
「?」
「それではお願いいたします。」
「前金は決まりによりこれくらいしかお渡しできませんが。」
ル「はい。」
「アルドゥラムギェット、しっかりといろんなことを勉強するのよ。」
ア「うん。」
父「それで、もしよろしければ、あなたたちの星の言語も教えてやってもらえませんか?」
ル「え?でもここの翻訳機があれば・・・」
母「でもその星の言葉を学ぶことは、その星の文化を学ぶことにもなります。
きっとこの子の財産になりますわ。」
ル「わかりました。」
父「この歳は吸収が早い。きっといろんなことを覚えることができるはずです。よろしくお願いします。」
ル「はい。」
フライングマシンに乗り込むと、マシンは浮上し始めた。
ア「僕頑張るよ。お父さん、お母さんも元気でねー。」
手を振るアダムに手を振り返すと、二人を乗せたマシンはいってしまった。
いつまでも見送った後、振り返ってアダムはルナとシャアラに言った。
ア「まだまだ、子供だけど、勉強するから・・・よろしくおねがいします。」
ペコリと頭を下げる。
ル「こちらこそ、よろしくね。」
シャ「よろしくね、アダム。」