手をつないで戻ってくるルナとアダム。
ル「ひゃー回った、回った。」
ア「気持ちよかったねえ。」
ハ「おい今のどうやったんだ?
何でお前ら宙に浮かんで回ってたんだよ?」
ル「さあ?」
ア「わかんなーい。」
シャ「すごいわねー。」
シ「きっとなにか仕掛けがあるんだよ。」
カ「念力だろ?使える異星人がいてもおかしくない。」
ハ「お前は冷静なやつだな。」
次々とプログラムがすすむ。
ア「メノリはまだ〜?」
ル「もうすぐよ。」
ベ「ごめん、遅くなって。」
ル「お疲れ様。」
ハ「おそいぞ、ベル。」
ベ「メノリは・・・」
シャ「大丈夫この後よ。」
シ「仕事大変なんだね。」
ベ「うん、でも間に合ってよかった。」
ル「あ、始まるわよ。」
進行役「ながらくおまたせいたしました。
いよいよ我が劇団がスカウトした遠い銀河から舞い降りた女神メノリ ヴィスコンティと
我が劇団が誇る多才な才能を持つシオン フレアルによる軽やかなハーモ二―を
心ゆくまでお楽しみください。」
パチパチパチパチパチパチパチパチパチ
チ「メノリやで。」
ア「きれいだねー。メノリ。」
ル「そうね、でも静かに聴きましょうねアダム。」
両手で自分の口をふさぐ。
ア(うん。)
メノリとシオンが観客席にお辞儀をすると、メノリは静かにコロニーのヴァイオリンを構え、そして奏で始めた。
軽やかなメロディが響き渡り観客の心を魅了する。
皆静かに聞き入って、そのメロディに心をとらわれたようだ。
安らかな空気に会場が包まれる。
メ(シオン・・・いよいよお前の出番だぞ。)
そっとシオンを見るとシオンの様子がおかしい。
体が震えてうつむいている。
シオンの出番になっても楽器を持つ手が上がらない。
メ「シオン・・・」
メノリの演奏も止まってしまった。
観客もザワザワと騒ぎ始めた。
ハ「どうしたんだ?」
シャ「止まっちゃったわ。」
チ「客も騒ぎ出したで。」
ルナのアダムにそえられた手に力がはいる。
ア「ルナ・・・」
見上げるアダム。
ル「メノリ・・・」