矢継ぎ早に顔のすぐ横や、頭の上の壁に何度も何度も振りぬいた後、
最後に脅えているゴールドマンの左肩に槍先を突き立てる。
「ガッ。」
苦悶の表情を浮かべるゴールドマンに怒声を投げかける。
「いいか。
外の世界は俺のように
お前を傷付けたくて傷付けたくてどうしようもないやつがうじゃうじゃいるんだ。」
ブルブルと子供のように震えるゴールドマン。
「お前がまたここから出たら、俺がもう一度飛んできてお前をもう一度同じ目に会わせてやる。」
踵を返して洞窟を出て行くカオルはもう一度振り向いて入り口から叫ぶ。
「ずーっと見張ってるぞ。わかったな。」
そこまで言ってカオルはエアカーに飛び乗り去っていった。
荒地をエアカーで飛ばすカオル。
「あいつはずっと闇の中にいたんだ。
昔の俺のように・・・
そしてこれからも・・・」
カオルの頬を一粒の涙が走る。
ル「あっ、カオル。おかえりー。」
ア「おかえりー。」
カ「ああ。」
ベ「今日は遅かったね。」
チ「今日はなんか獲れたんかい。」
カ「いや。」
ハ「なんだ、カオルゥ。お前最近全然稼いでこないじゃないか。
全く役立たずだな。」
カ「ああ。」
シ「そういう時もあるよ。」
シャ「ハワードもでしょ。」
ハ「僕は今にでっかいサヴァイヴをもって帰るからいいんだよ。」
チ「でっかいサヴァイヴを持って帰ってもしょうがないがな。」
「ははははは・・・」
カ「明日はちゃんと稼いでくるさ。」
カオルは今の自分の幸せを
確かにその体で噛み締めていた。