ハ「やれやれ、どこを歩いてもメノリ、メノリ、メノリ、メノリ、メノリ・・・」
フェアリーレイクの街中のポスターや、看板、電光掲示板、そしてテレビがメノリの姿を写していた。
それに添えられた文字を見る。
読めるものもある。
「氷の微笑、ぴったりだ。
純真無垢な女神。純真無垢?アイツが?
フェアリーレイクの女王!?こ、これは・・・」
メノリのポスターの顔に画鋲が貼り付けてある。
「ははは、お似合いだぜメノリ。」
笑った後・・・
丁寧に画鋲をはずすハワード。
ハ「はあ、ソリア学園生徒会長のメノリ、ヴィスコンティ様は
遠い遠い雲の上のお星様になっちまったな。
なあブルキン。」
そんなハワードの前にメノリの姿が現れた。
「メノリ、お前・・・ひ、久しぶりだなあ。」
目の前のメノリは突然流行りの歌を歌い始めた。
「・・・・・・なんだよ、街頭立体テレビか・・・おどかすな。」
地面を蹴飛ばすハワード。
「イテッ。」
ぶ〜ん
「なんだよお前、僕が寂しがってると思ってるのか?」
ぶ〜ん
「フン、あんなやついなくてもこのハワード様はなあ。」
ぶ〜ん
ハワードの瞼にメノリとの思い出が浮かぶ。
「はは、喧嘩したことしか浮かばないや。」
ぶ〜ん
「メノリのヤツ、たまには帰ってこいってんだよ。」
うつむくハワード。
背中にとまるブルキン。
「みんな待ってんだぜ。」
ハ「今日っのオ・カ・ズはな・に・かっなあ?」
シャ「今日はねえ、ストロガノンビーフスチューよ。」
シ「シャアラ、それはストロガノフビーフシチューだと思うよ。」
ル「ストロガノンビーフスチューでいいのよ。」
シ「ええ?」
シャ「ねー。」
ル「ねー。」
ア「ねー。」
チ「正確にはやなあ、この街の遥か南西に聳え立つ、標高30万キロメートルのカルボナード山、頂のマグマに例えられて・・・」
ハ「30万キロメートル!?」
貧相な想像力を逞しくするハワード。
チ「いや、50万キロメートルの・・・」
ハ「50万キロ?!?」
さらに逞しくするハワード。
チ「はは、せいぜい1万キロメートルや。」
ハ「あ?なんだ、おどかすな。」
「ははは・・・」