「カオル。」
一日の仕事が終わって汗を流した風呂上りの妖精の雫でのやすらぎのひととき。
ベルに声をかけられた。
「なんだ?」
「あれにでてみないかい?」
ベルが指を指した先には、サヴァイヴ格闘無差別級選手権大会のポスター。
「今宣伝しているやつか・・・」
「うん。」
無差別級なら、俺たちには不利かもしれないが、優勝賞金は200万サヴァイヴとある。
今の自分たちにはチャンスなのかもしれない。
「俺たちふたりともでるのか?」
「うん。」
しばらく考えた後。
「わかった。やってみよう。」
「じゃあ申し込んでおくね。」
「命がけになるかもしれないぞ。」
「うん。」
いつもの穏やかな顔で答えるベル。
そうだな。
俺たちはいつでも命がけだよな。
(一週間後か・・・できる限りのことはやっておかないとな)
一週間後
「カオル。体調はいいかい。」
「ちゃんと整えておいた。ベルはどうなんだ。」
「おれもやれるだけのことはやっておいたよ。」
ベルの体は普段の仕事もあるだろうが、この星へ漂着した時よりも一回り大きくなっているようだった。
「じゃあいくよ。」
「ああ。」