「あんまり部屋が素敵だから色々みていたんだけど・・・」
「なんや?シャアラ?」
「これはなにかしら?」
小さい文字がびっしりとかきこまれている紙切れだった。宇宙人がドアをあけたりバスルームをつかったり窓を開けたりする図式もたくさんついている。
「これは多分このホテルのご利用案内図やな。」
「ふーん、ずいぶん細かくのってるのね。」
「いろんな宇宙人がおるからな。
ちょうどええわ。
まだ完全やなかったこの星の文字をインプットする絶好の機会や。」
「がんばってね。チャコ。」
「ピッ」
部屋の入り口が開いた。
「おかえり、ふたりともどうだった?」
「ああ問題ない、なにかあってもふつうにでられそうだ。」
「チャコはなにをやってるの?」
「この利用案内図をみてこの星の言葉をインプットするんですって。
私さきにバスルームつかってもいいかな?」
「た・た・た・・・」
「どうしたのチャコ?」
「大変やー。これは料金表や。」
「どういうこと?」
「ここはいちいちなにかする度にお金がかかるんや。
たとえば部屋の入り口をあけるだけで10サヴァイヴ。」
「えーーーっ!」
「バスルームを覗くだけで20サヴァイヴ。
水をつかうと30サヴァイヴ、お湯を沸かすと45サヴァイヴや。」
「え、えーー!?」
ベ「ハワード、星がきれいだね。」
ハ「ああ、そーだな。・・・・・・・あんまりくっつくなよ暑いんだから。」
カ「・・・・・・」
夜の街で息を切らす3人と一匹。
「ハアハア、うまく・・・
脱出・・・できたようだな・・・」
「そうやな・・・
まさか・・・ボッタクリホテルやったなんてな・・・」
「・・・一概に・・・そうとは・・・言い切れないんじゃない・・・
料金表もあったし・・・
出入りも厳重じゃなかったし。」
「いやそら甘いで、あとで支払いが足らんかったらウチら捕まってスクラップに・・・」
「・・・・・・」
メ「さてまた宿探しだな。」
シャ「もう嫌よ、私怖いわ。宇宙人なんて信用できないわ。野宿のほうがマシよ。」
メ「私はもう一度さがしたほうがいいとおもうが。
シャワーを浴びたかったんじゃないのか?シャアラ。」
シャ「ひっく。」
ル「!・・・・・・チャコ、あなたこの星の文字が読めるようになったんでしょ。
あれはなんて書いてあるの?」
チ「え、まだ全部は読めへんでぇ。あれはやなぁ・・・」
ハ「もういやだ。
いくらなんでももだいの男がひとつの袋でおしくらまんじゅうなんて。
僕もカオルのように外で寝るぞ。」
ベ「でも・・・」
シ「僕もこんな窮屈じゃ眠れないよ。」
ハ「あ〜あ〜ルナたちはいいよな〜いまごろはベッドの中で幸せそうに寝てるんだ。」
「おーい。」
シ「あれルナたちだ、なにかあったのかな?」
ベ「どうしたんだい。宿はみつからなかったの?」
「いいところがみつかったの。
みんな、ついて来て。」