「これは・・・」
シ「オフロヤさんかぁ。」
チ「これは銭湯ちゅうねん。」
ル「チャコがこの星の文字をインプットできたんで、いろんな看板を読んでもらってたの。
そしたらここはひとり1サヴァイヴなんですって。」
ハ「へー安いじゃないか。」
メ「この星は労働者が多いので疲れをとってまた働いてもらうため、
こうした汗をながすサービス施設は格安になってるそうだ。」
シャ「それにお風呂の文化がすすんでいて、
今ブームでいろんなオフロヤさんがあるんですって。」
ハ「ふーん。僕みたいなきれい好きがおおいんだな。」
ベ「それで俺たちもわざわざ呼びにきてくれたのかい。」
チ「ちゃうねん。団体やないと割引されへんねん。」
ル「チャコ!
それだけじゃないのよ。
だってみんなで働いてえたお金だし。
今日はみんないっぱい汗かいたもんね。
私たちだけ・・・っていうのはちょっとみんなにうしろめたかったし。」
ハ「なんだっていいさ。
さっさとはいろうぜ。
サッパリしたかったんだ。」
チ「気分も身体もリフレッシュするには風呂は最適やで。」
ハ「うっひゃーあっ!なんちゅう広さだこりゃあ。」
シ「いろんな宇宙人がいるね。」
メ「さっさといくぞ。
もう夜もおそいんだ。
いつ閉め出されるかわからないからな。」
チ「ああ時間やったら、あとしばらくは大丈夫や。
ゆっくりでかまへん。」
ベ「この長い通路にある入り口の・・・どれかみたいだ。」
シャ「でも二十はありそうよ、どこにはいればいいのかしら。」
チ「宇宙人ごとにわけられてんのやな。」
ハ「なーに。俺たちに似た宇宙人が入ってくところがそうさ。」
ちょうどそのとき、向こうの入り口から二人組みの若い男たちがでてきた。
姿は僕たちにそっくりだがひとりは青い髪にちいさく細い触角がアタマに二本。
もうひとりは白い髪で異様に背が高い。
ハ「ああきっとあそこが僕たちが入っていいところだ。」
シャ「そうかしら?ちょっとちがうんじゃないかしら・・・」
チ「ああそこで間違うてへん。さっぱりしてきいや。」
ハ「いいやっほうー。」
シ「じゃあお先に。」
カ「・・・・・・」
ベ「待ち合わせは1時間後くらいでいいかい。」
チ「そやな、それくらいでかまへんやろ。」
べ「じゃ・・・あとで。」
ル「それにしても女性の宇宙人はでてこないわね、これじゃどこかわからないわ。」
メ「ハワードたちがはいっていった入り口の隣のふたつか、向かい側のどれかだろう。」
チ「それがなあ、この銭湯は宇宙人の区別はされてても男女の区別はされてへんのや。
男女の区別のない宇宙人もおるしなぁ。」
三人「それじゃあまさか・・・」
チ「いわゆる混浴ちゅうやつや・・・」
ル「そんな・・・」
メ「不謹慎だ!!!」
シャ「メノリ・・・」
メ「そんな・・・年頃のわたしたちが・・・あいつらと一緒の風呂に入るなんて・・・・・・
・・・そんなことあってはならないことだ!!」
「:*+、¥?」
ちょうどそのとき私たちと似た宇宙人の女のひとが前を通ってはいっていった。
隣の入り口に・・・
ル「チャコ・・・これはどういう。」
チ「あっはははは軽いジョークや。
三人とも待ってる間暇そうやったし、つかれてるみたいやったから気分をな・・・」
「チャ〜コ〜。」
三人のきつい視線。
チ「いややわ〜そんなに怒らんといて。
美人が台無しやで。」
ハ「ハ〜〜〜〜生き返ったぜ〜〜〜。」
シ「ほんとうに気持ちがいいね。いつまでもここにいたいよ。」
ベ「ぬめりがあるお湯みたいだし、温泉かな。」
ハ「でもよ、広さは申し分ないけどさ、
自動洗浄機もフェイスクリーニングも全方向ドライヤーもないぜ。
僕らよりずっとすすんでるんじゃなかったのか?」
ベ「値段が値段だからね。
あまりいいものは無理だよここじゃ。」
シ「ここは昔ながらっていうのが売りでもあるんじゃない。
ほらコロニーにいたときも昔のものが流行ったりしてたじゃない。」
ハ「金持ちの自転車やランニングかぁ。
そういえばおまえも化石燃料のガソリンをつかってたっけなぁ。」
シ「な、なんでそのこと知ってるんだよ。」
ハ「フン、このハワードJr様に知らないことなんてないのさ。」
シャ「はあ〜〜〜〜やっと落ち着けたわ。」
ル「とっても気持ちいいわね。」
メ「ああ本当にそうだな。生き返ったようだ。」
チ「このお湯は低張性弱アルカリ性冷鉱泉や。
神経痛や筋肉痛、冷え性に効くでぇ。
最高の温泉やで。」
ル「今日一日みんなどうだった?」
シャ「とっても疲れたわ、やっと休めると思ったのにまた走らされたし。」
ル「あはは、そうね。」
シャ「でも今こうやっていると全身の疲れがぬけていくみたいで・・・
それに気持ちがとっても充足してるの。」
ル「わたしも。
疲れたけどとても充実した一日を送った気がするわ。」
シャ「お金を自分達のちからで稼ぐっていうのはとても大変なことだけど、
得られる喜びも大きいのね。」
ル「・・・そうだね・・・ねえ、メノリはどうだった?」
メ「そうだな。わたしもこんなに大変だとは予想してなかったな。
でも私は自分のもっとも得意で好きなことをしてお金をもらえた。
これほどうれしいことはない。」
ル「ハワードに助けてもらったっていってたけど。」
メ「ああ、貴族のたしなみをちょっとな。」
シャ「ふーん、ハワードでも役にたつときがあるのね。」
四人「アハハハハハハハハハハ・・・・・・・・・」