全ての手紙に短い一言が力強く大きな文字で書いてあるだけだった。
~頑張れ~
~マケルナ~
~頑張れ~
~がんばれ~
~がんばれ~
~負けるな~
~応援してるぞ~
~ガンバレ~
~頑張れ~
~がんばれ~
~頑張れよ~
~ガンバレ~
~負けるな~
~ガンバレ~
~負けるなよ~
~頑張れ~
~負けるな~
~頑張れ~
~がんばれ~
~ガンバレ~
~がんばれ~
~がんばれ~
~がんばれ~
・・・大粒の涙をこぼすメノリ。
そして日付があの日以降の最後の24通目には、みんなのメッセージが書いてあった。
おもいきりぶっちゃってゴメンね。がんばってね。 ルナ
わたしもメノリに負けないように頑張るからね シャアラ
心はいつも青空や チャコ
俺達は仲間だ ベル
みんなつながってる 俺達はひとりじゃない カオル
みんなでコロニーに帰ろうね シンゴ
僕もメノリに負けないくらい上手くなるからね 絶対 アダム
僕も頑張るからお前もガンバレよ 無理しないで辛くない程度にな ハワード
手紙を握る手がふるえる。
「メノリさん、出番5分前ですよ。
わ、どうしたんですか?その顔。
また誰かに何か言われたんですか?」
ゴシゴシと顔を拭う。
「そうじゃない・・・そうじゃないんだ。」
「もう出番ですよ。」
「5分あれば十分だ。」
顔を洗い、メイクをなおして、手紙の山を見る。
「私もこの街の文字を覚えたほうがいいな。」
メノリは颯爽とたくさんの観客の視線が集まるステージへと向かった。