ハ「お、おい。」

シ「あ、ハワードお帰り。」

ル「買い物は終わったの?」

ハ「それどころじゃないんだ。

 こ、こ、これを見ろ。」

チ「ん?」

ハワードの広げた手の中には一匹の輝くブリキ虫が。

シャ「きゃあー。」

チ「これは・・・」

シ「黄金のブリキ虫じゃないか。」

ハ「ああ、そうなんだ。

 念願の、ゴールデンブリキ虫さ。」

カ「・・・」

ル「どうしたの?このコ。」

ハ「ブルキンと知らないウチに一緒にいたんだ。

 誰かに見つかるとマズイから、僕のポケットに入れて持ち帰ったんだ。」

チ「いくらになるんや?コレ。」

ハ「前言ってた話だと100万以上になるんだよな?カオル。」

カ「ああ。」

ハ「ぐっひっひっひ。」

笑い出すハワード。

ル「ハワード。よだれ・・・」

ア「どうするの?そのブリキ虫。お金にするの?」

ハ「いやいやいや、待て待て待て、慌てるなお前ら。

その前にブルキンと同じように住処を見つければ・・・」

シ「そうか。黄金のお宝が芋ずる式に・・・」

シャ「ハワード、シンゴ。よだれが・・・」

ル「でもそんなにうまくいくかしら?」

ハ「いくさー。僕とブルキンに任せろ。

 これでもう、コロニーへ帰れることは決まったようなもんだな。」

チ「でもどうやって探すんや?」

ハ「それは、糸を付けて・・・

 まてよ、もうサヴァイヴの心配はしなくていいんだ。

 発信機をつけて・・・」

チ「こないな派手なブリキ虫。誰かに横取りされるでえ。」

ハ「そうか。それもそうだな。欲張り共が多いからな。

 どうしようか。ブルキン。」

シ「それならこれを使いなよ。」

ル「なあに?それ。」

シ「ブルーメタル色のペンキだよ。

 これを塗っておけば。」

ハ「目立たないってわけだな。

 さっそく頼むぜシンゴ。」

シ「まかせておいてよ。

 ブルキンも塗っておくかい?」

ハ「どうする?」

ぶ〜ん

ハ「ブルキンはこのままでいいってよ。」

シャ「わかるの?」

ハ「ああ。」

チ「さびかけてんのになあ。」

ハ「気にしてないそうだ。」

ぶ〜ん

 

ペンキを塗ったゴールデンブリキ虫に糸をつけてその先にハワード、の出来上がり。

ハ「じゃあ、いってくるぜ。」

シャ「一人で大丈夫?」

ハ「ああ、ブルキンがいれば十分さ。」

ア「いってらっしゃい。」

ル「気をつけてね。」

シ「頑張ってね。絶対逃がしちゃ駄目だよ。」

ハ「ああ、まかせておけって。」

意気揚々と出かけていくハワード。

カ「・・・」







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