シ「ハワードやめなよ。みつかったらまずいよ。」

ハ「うるさい黙ってろ。

こっちからルナ達の声がきこえたはずだ。

男として覗くのが礼儀ってもんだ。」

カ(どんな礼儀だ)

ベ「よしなよハワード。」

ハ「お前はしっかりおさえてりゃいいんだ。」

ハワードはよじのぼれそうな場所をみつけて、今にも落ちそうな体のバランスを、ベルにささえてもらうことでなんとかたもっている。

ハ「もう・・・チョイ・・・!見えた!・・・!!」

 

「ぎょええーー」

ル「ハワードの悲鳴だわ。」

チ「またあいつなにをやらかしたんや。」

 

シ「ハワード。しっかりして。」

ベ「ゆすっちゃだめだ。目を覚ますんだ、ハワード。」

ハ「うーん、いてててて僕はどうしたんだ?」

ベ「少し頭をぶつけたんだ。ちょっと横になってるといいよ。」

ハ「そうだ・・・ぼくは・・・壁のむこうで・・すごいもの・・・異星人・・・みたんだ。」

「パタッ」

そういってハワードは気を失ってしまった。

シ「いったいなにをみたんだろう・・・」

 

ハ「うーんまだちょっと頭が痛いな。」

意識をとりもどしたハワードは言った。

シ「そりゃそうさあの高さだもの。」

シンゴがさっきまでハワードがいたところを指さす。

ベ「それだけですんでラッキーだよ。」

ハ「ちぇっくそー」

シ「ところでなにがみえたの。」

ハ「え?あ、う〜ん。覚えてないや。」

シ「なんだよそれ。」

ハ「とにかく異星人のなにかだった。」

シ「それじゃわかんないよ。」

ハ「まあまてそれよりもこの僕たちの周りにいるやつらをみてみろ。」

「え?」

 

「一見僕らと変わらないようにみえたやつらも着ているものを脱いじまえば、

僕達とはまったく違う生き物だってことがよくわかるだろ。」

シ「そうだね外見は似てたけど、やっぱり異星人なんだね・・・・・・だから?」

ハ「だからな・・・中身はとんでもないのもいるから気をつけろといいたいわけさ。」

ベ「あはは宇宙人だからね。

俺たちと違うところはたくさんあるさ。

でも俺たちとなにも変わらない、心をもった人間さ。」

ハ「あのなぁベル。異人種同士の接触っていうのはな、昔から・・・」

ベ「さてと俺はもうあがるよ。

カオルももうあがったみたいだし、みんなもそろそろあがらないと。

チャコ達待ってるかもよ。」

 

ロビーのようなところでカオルが一人でソファーに座っていた。

ベ「あれ?みんなまだみたいだね。」

シ「そうみたいだね。ぼくら(ハワードのせいで)おそくなったのに・・・」

ハ「女は色々と時間がかかるものさ。」

 

シ「あ、来た来た。」

ル「おまたせー。

 気持ちよかったわねー。」

ベ「うん、おかげでサッパリしたよ。」

シャ「ところでハワードの叫び声が聞こえた気がしたんだけど、なにかあったの?」

シ「ああ、それはね・・・」

ハ「この馬鹿。余計なことを言うな。」

シ「もが・・・」

シンゴの口を塞ぐ。

メ「なんだ?」

ハ「いやなにちょっと熱湯をな、ハハハ・・・」

メ「あいかわらずなやつだな。」

ハ「なんだと・・・!・・・(メノリのやつ・・・いいにおいがする)」

メ「なんだ?」

ハ「や・・・なんでもない・・・よ。」

シ「あー体はサッパリしたけどのどが乾いたな。なにか飲みたいよ。」

メ「お金がないんだ。公園の水で我慢しろ。」

カ「・・・あそこで飲み物のサービスをしている。ただで飲めるはずだ・・・」

カオルが視線を送った先にはドリンクコーナーがあった。

チ「ほんまや。無料ってあるわ。ウチが飲めるかどうか試したるわ。」

シャ「ミルクみたいな色ね。」

いっきに遠慮なく飲み干すチャコ。

試し飲みという感じではない。

チ「う・う・う・・・・」

ル「どう?チャコ。」

チ「こりゃうまいでー糖分もバッチリや。ウチ幸せやわ〜」

ハ「どれどれ・・・うん?確かにうまいけど、ちょっと僕には甘すぎるな。」

メ「そうだな少し甘味が強いな。」

シ「僕はちょうどいいけど。」

シャ「私もおいしいー」

ハ「けっおまえらお子様にはちょうどいいかもな。」

シ「ハワードにだけは言われたくないね。」

ベ「まあまあ、じゃあ戻ろうか。ルナ達の宿はどこだい。送っていくよ。」

ハ「そうだ、どんなところか教えろよ。」

ル「それが・・・いい所がなくて・・・」

シ「え!?まだみつかってないの?どうするの?

ル「だから・・・私たちも野宿でいいわ。かまわない?」

シ「え、でも寝袋は・・・」

ベ「大きな寝袋があるから三人で使うといいよ。俺たちは布きれがいくつかあるから。」

メ「すまないな。」

シャ「ありがとう。」

ハ「ならその浮いた分はぼくが使ってやるよ。」

チ「なにゆうてんねん。

ウチらちょっとでもお金を浮かそうおもて野宿するんやないか。なんでおまえに使わすねん。」

ハ「ちぇっ。」

 

シャ「夜風が気持ちいいわねー。」

メ「でもそのまま寝たらきっと風邪をひくぞ。」

ル「そうね。こんな大きな寝袋があってよかったわ。みんなごめんね。」

ベ「いいよ。どうせカオルとハワードは嫌がってつかわなかったんだから。」

ハ「・・・ベッドがないならウォーターベッドで寝ればいいんだ・・・ムニャ。」

シ「もう寝てるよ。」

ル「私たちも寝ましょ。おやすみなさーい。」

ベ「おやすみ。」

 

カ「実際いくらかかりそうなんだ?」

シ「え?あ、宇宙船のこと?

まだはっきりとはわからないけど・・・300万から500万サヴァイヴくらいかなぁ。

装備にもよるとおもうけど。」

カ「500万か・・・」

シ「きっとなんとかなるよ。おやすみー。」

 

長かった一日が更けてゆく。

疲れきった身体に温泉の心地よさでみんな明日への不安と希望を胸の片隅に抱えながらも

ぐっすりと深い眠りに落ちていった。






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