グギャアアアアーーーーーーーー
ドラゴンフラワーが大きな断末魔をあげてその巨体を荒地に崩れおとす。
カオルはあの格闘大会の賞金の一部で買った、サヴァイヴルナイフを握り締めていた。
「やっぱり買って正解だったな。」
太陽に光るセラミックのナイフを見つめる。
「後はコイツを持って帰るだけだ。」
生きる力を失った獲物を見下ろす。
そんなカオルの周囲が突然暗くなった。
大きな影に入ったらしい。
(雲か・・・)
空を見上げると太陽の中に細い蛇のようなものが動いていた。
(なんだ?アレは。)
ハンターセンターの扉を開ける。
「おおっ、ついに仕留めたか。兄ちゃん。
やったな。」
「ああ。」
「これでとうとうAランクのマイナーだ。
おかげで賭けはまた俺の一人勝ちだ。
今証明書を発行するからな。」
カオルは立ったままカウンターに両腕をかける。
「ほい、証明書だ。それと賞金の50万サヴァイヴだ。」
「ああ。」
受け取ってセンターを出て行く。
「またなあ、兄ちゃん。次も期待してるぜ。」
家路に着いたカオルは大いなる木の扉を開く。
「ただいま。」
シ「あ、おかえりカオル。」
シンゴは水のはった洗面器を持って慌てている。
カ「どうしたんだ?」
シ「それが・・・ルナが大変なんだよ。」