医「ふー。」

ハ「ルナはどうなんだよ。助かるよな。」

詰め寄るハワード。

シャ「ハワード。」

医「結論から言うと彼女はもう駄目じゃ。」

「!」

シ「そんな・・・」

ハ「なんでそんなこと言うんだよ。」

シャ「ルナッ。」

医「彼女の体の中には悪性のなにかがはいっておる。」

ハ「なにー。」

チ「ナノマシンとはちゃうのんか?」

ハ「なんだよ。ナノマシンって。」

シャ「ハワード、その話は後で。」

ハ「ちっ。」

医「ナノマシンなら、それ用の照射機をあてればクリーンにすることができるんじゃがのう。」

シ「ナノマシンとは違うの?」

医「ウイルスより小さいナノマシンよりもっと小さい分子よりも原子よりもっと小さな

 ナニカが彼女の中で暴れておるんじゃ。」

チ「原子より小さいってそんなもん・・・」

医「その通り、これは人間の科学で説明がつくものではない。

 いわば呪いといってもええ類のもんじゃ。」

ハ「呪いって。」

医「彼女はこのまま長い時間を苦しむだけじゃ。

 早く楽にしてやったほうがええ。」

シャ「そんな・・・」

シャアラが涙をこぼす。

シ「なんとか方法はないの?」

チ「どんなわずかな可能性でもええ。

 やれることはやってみんとわからんからな。」

カ「そうだ、俺たちは・・・」

みんながカオルを見る。

カ「絶対諦めない。」

医「・・・残念だが、ああいう類は僕の専門外だよ。

 でもひとつだけアドバイスするなら・・・」

すがるような目で見る。

医「年寄りの有識者にあたることだね。

 科学の先のちからなら、歳を重ねた人の話で、物事がうまく進んだケースもあったからね。」

ハ「たとえば、誰なんだよ?」

医「ここの星おばあさんとか・・・」

ハ「よし、星ばあさんに聞いてくる。」

話も終わらない内に駆け出す。

ア「僕も・・・」

シ「チャコとシャアラはルナを診ててよ。」

チ「シンゴはどこへいくんや?」

シ「ポルトさんのところさ。」

カオルも駆け出した。

シャ「カオル。」

カ「俺もひとり心当たりがいる。」

チ「そうか。ルナはウチとシャアラに任しとき。」

カ「頼む。」

チ「みんな、頼んだでえ。」




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