星「なんじゃと?」

ア「ルナはもう助からないってお医者さんが。」

ハ「なあ、なにか死にそうなやつが生き返る技とか、なにか知らないか?」

星「わしゃあ・・・」

ハ「なあ、知っててくれよう星ばあさん。」

すがりつくハワード。

星「ちょっとついてきんしゃい。」

ア「ここは・・・?」

大いなる木の地下に空間が広がっていた。

星「ここにわしのとっておきの・・・」

ハ「なにかあるのか?」

星「よっ。この壺じゃあ。おまんらも手ぇ貸せ。」

ハ「おう。」

ア「うん。」

 

星「よいっしょとお。」

ハ「なんだあ?」

星「これはなあ。10年も漬けた梅干じゃ。

 どんな年寄りでもこれで元気になる。さあもっていくがええ。」

ア「ありがとう。」

ハ「う、梅干かあ〜。」

 

物知りじいさん「呪い・・・のう。」

カ「なにか知ってるなら教えてくれ。

 酒なら・・・。」

物「うんにゃ、酒はもう結構。高いお酒はたまにしか飲めんからありがたいんじゃ。

 しょっちゅう飲めたら興ざめじゃ。」

カ「じゃあ。」

物「わしゃあ、なんも知らん。」

カ「くっ。」

こぶしを握り締めるも黙って立ち去るカオル。

物「その娘を治す方法は知らんが、

おまえさんかおまえさんの仲間がなにか大層なもんにちょっかいをかけたんじゃないのか?

ワシにはそれくらいしか言えん。」

カ「俺が・・・もし昼間のアイツがそうなら・・・」

カオルは東の荒地に駆け出した。

物「しょうがないのう。礼を言うのを忘れていきおった。」

残った安酒をちびちびと飲む。

 

チ「ルナ・・・しっかりしい。

 お父ちゃんの言葉を想いだすんや。」

ル「ハアッ・・・いき・・・ろ。」

チ「そうや。きいついたんか?」

ル「・・・・・・・・・っ。」

シャ「ルナ。しっかり。」

ハ「おい、もって来たぜ。」

チ「おお、ハワード。薬があったんか?」

ハ「ああ、この梅干を食べればどんな年寄りでも・・・」

チ「ルナは年寄りとちゃうで。」

医「おお、こりゃあ。」

震える手で梅干を一掴みする。

チ「すごいんか?」

医「あのばあさん。やっぱり隠しておいたのか。

 このひとつぶで・・・」

シャ「ルナ。」

医「ワシら年寄りは生き返る。」

パクッと自分の口に放り込む。

シャ「ルナぁぁー。」

泣き叫ぶシャアラ。




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