ハ「カオルっ。」
カ「ルナを救う方法は見つかったか?」
シ「それが・・・」
メ「色んなお年寄りを頼ったが、まだ方法はみつかっていない。」
カ「ベルは・・・」
メ「絶対諦めないってまだ駆け回ってるよ。」
シャ「ルナァ。」
チ「カオル。なんや?その手ぇに握ってんの?」
カ「これは・・・竜の・・・」
メ「竜?」
医者の耳がピクっと動く。
ハ「おいおいカオル。ルナがあんなだからって大丈夫か?竜なんかいるはずないだろ。」
医「どれ、みせてみい。」
手にとってしげしげと固い毛を調べる。
シ「この星には竜が住んでるの?」
医「いいや。おらん。」
ハ「やっぱりいないじゃないか。」
医「しかし、伝説にはのこっとる。」
ハ「伝説〜?」
医「お前さんたちの星にも、伝説の中にはおるではないか。」
チ「まあせやなあ。」
星「人間の心の中には竜が住んどるのかもしれんのう。」
メ「星ばあさん。」
チ「で?竜やったら、ルナを治すこともできるんか?」
医「その鱗は強固な鎧となり、その髭はすさまじい武器となり、その角は万病を治し、その爪の垢は無限の英知をもたらし、その唾は強い生命力を授けるという・・・」
ハ「垢に唾かよ〜?なんかばっちいな。」
チ「これはなんなんやカオル?」
カ「たてがみだと思う。」
医「たてがみか・・・ふ〜む。」
チ「アカンのか?」
固唾を呑んで答えを待つ。
医「竜なんて、専門外だよ。
たとえ角があっても、娘の命が助かるかなんてワシにはわからんよ。」
シャ「そんな・・・」
医「しかし。」
チ「なんや?」
医「このままではあの娘は死んでしまう。
それだけは間違いないわい。」
ハ「なんだと。やっぱりやぶ医者だったのか。」
チ「・・・どっちにしろルナはもう助からんかもしれん。
それやったら、いちかばちか最後の希望にかけてみようやないか。」
メ「それしかないか・・・」
シ「やってみようよ。」
ハ「ああ。」
シ「それで、どうすればいいの?」
医「確証はないが、すりつぶして飲ませてみるしかないのう。」
カ「俺がやる。」
ベ「俺も手伝うよ。」
息をきらせてベルも現れた。
ハ「ベル。」
チ「よっしゃ。頼んだでふたり共。」