何時間もかけてベルとカオルは硬い竜の毛をすりつぶしていった。
ベ「代わろうカオル。」
カ「頼む。」
交代で、終始ほとんどしゃベらずに削り、やっとわずかばかりの粉末が出来上がった。
医「ふむ。これだけあれば良いじゃろう。」
ルナの体を起こして水と一緒に飲ませる。
チ「ルナ・・・薬やで。頑張って呑むんや。」
竜のたてがみが、ルナの体の中に入る。
ル「はあっはあっ・・・・・・うっ。」
チ「ルナ。」
ハ「どうなんだ?」
チ「アカン。前より苦しんどるみたいや。」
メ「そんな・・・」
ア「効かなかったの?」
シ「やっぱり竜なんて・・・」
医「体の中でなにかがたたかっとるのかもしれんし・・・」
シ「かも?」
医「ただ苦しみを与えただけかもしれん。」
シャ「そんな。ひどい・・・」
医「楽にしてやることなら、簡単だよ。」
注射器を取り出す医者。
ハ「楽にしてやるって・・・」
シ「・・・・・・あきらめるってことさ。」
絶句するみんな。
メ「まだ、できることがある。」
チ「なんや?メノリ・・・」
チャコも泣いている。
メ「祈ろう。みんなで・・・」
カ「メノリ・・・」
涙を拭くチャコ。
チ「せやな。ルナはきっとあきらめとらんはずや。
うちらがあきらめたら、ルナに顔向けできんわ。」
ハ「ああ。」
メ「祈ろう。みんなで。」