ハ「いよう。」

メ「なんだお前は。今ふたりで音楽について話してるんだ。邪魔するな。」

ハ「まあ、そんなこと言うなよ。

 僕も音楽は詳しいんだぜ。」

まかせろという顔のハワード。

メ「本当か?」

ハ「ああ。」

自信満々のハワード。

シオ「いいよ。メノリ。」

ハ(コイツ・・・随分気安いじゃないか。)

シオ「音楽には癒しの効果があるのは知ってるかい?」

ハ「ああ、僕も良く癒されてるよ。」

シオ「それだけじゃない。

   優れたクラシック音楽にはIQを高める効果もあるんだ。」

ハ「音楽を聞くだけで勉強しなくてもいいのか?

  ホントかよメノリ。」

メ「勉強しなくていいんじゃなくて、脳をリラックスさせる効果があるんだ。

  脳は複雑だしな。」

シオ「他にも、動物や植物、ありとあらゆるものに、音楽は良い影響を与えてくれるんだ。」

ハ「どうぶつや、しょくぶつねえ。」

シオ「水だって、おいしくなるんだよ。」

ハ「ははは、水が音楽を聞けるわけないじゃないか。」

メ「本当だ。結晶が洗練されたカタチになって、味もわかるひとにはわかるそうだ。」

ハ「ほんとかよ・・・」

シオ「他にも同質の原理っていうのがあって、落ち込んだ時には、悲しい曲、

   明るい気分の時には楽しい音楽、恋をしている時は恋の曲を、

失恋した時には失恋の曲を聴くと心が気持ちよく感じるんだ。」

ハ「ふ、ふ〜ん。」

シオ「メノリの優しい音楽は、優しい心の持ち主にこそ、その価値が本当にわかると思うんだ。

ただ良かったってしかわからない人にはもったいないよ。」

ハワードを見るシオン。

ハ「う・・・どうやら僕はお邪魔だったようだな。退散するよ。じゃあなメノリ。」

メ「あ、おい。ハワード。」

バシャバシャと遠浅の浅瀬を駆けていくハワード。

シオ「じゃあ続きの話をしようか、メノリ。」

メ「シオン・・・」




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