「それにしてもお金を稼ぐって大変なのねぇ。」
あのスイカもどきを食べながらシャアラが言った。
メ「そうだな。
私もこんなに大変だとはおもってなかった。
半日近くかけて成果はこれだけだからな。」
シ「この星はすすんでいるから僕たちのコロニーのものなんてガラクタみたいな値にしかならなかったよ。」
ベ「でもこんな異星でとりあえずなんとかなったのはとても幸運なことだよ。
環境が違えばその苦労は今の比じゃない。」
チ「それどころやないで、宇宙で遭難して文明のある星に流れ着いて全員生きとるなんて天文学的確率のラッキーや。」
ハ「なにがラッキーだ。
そもそも遭難しといてラッキーなんて不幸中の幸いでしかないんだよ。」
シャ「その奇跡みたいな不幸中の幸いがなければ本当ならわたしたちいまごろは・・・」
みんなの空気が暗いものになってきた。
ル「まあまあ、こうして全員無事でご飯も食べれて、
労働の喜びも味わえたんだからいいじゃない。」
チ「せや、ルナのいうとおりや。
こんなに旨いもん味わえるのは幸せ以外の何者でもないで。」
チャコが残ったスイカもどきにかぶりついて言う。
メ「そうだな。お金がもらえたときは嬉しかった。」
ベ「ところでこれからみんなとりあえずどう稼いでいくかは決まったかい?」
メ「私はもう少しこれを弾いてみるよ。こういうのも悪くない。」
ハ「僕はこうしてセコセコ働くなんて性にあわないな。でっかく儲けてみせる。」
ル「私はまだ決まっていないわ。でもなんでもやるつもりよ。」
シ「僕は宇宙船製造に関わる仕事を探してみるよ。
この星のすすんだ技術を学べるし、どれぐらいかかってなにが必要かもわかるし。」
ハ「ホントに買えるのか?」
シ「今のままじゃ無理だけどなにかでっかく当てれば可能性はあると思うよ。
ぼくらのコロニーで言うとちょっと大型の自家用ジェットくらいの値のはずなんだ。」
ハ「だったら楽勝だな。僕のパパはいっぱい持ってた。」
チ「パパはここにはおらんで。」
ハ「パパの血をひく僕なら同じくらい稼げるってことさ。」
シ「ベルは今日行った工事現場にまたいくんだろ。」
ベ「うん。色々学べることも多いし・・・」
シ「カオルはどうするの?」
カ「・・・俺は俺でやっていく・・・」
シ「え、協力しようよ。」
カ「協力はする。お前たちこそ足を引っ張るな。」
ル「・・・・・・シャアラは?」
シャ「私・・・私は住むところが欲しい。
働く自信はないけどみんなのご飯を作ったりお掃除してみんなの帰りを待つの。」
ハ「なにーお前自分だけ働かないつもりか。」
ル「シャアラ・・・とってもしっかりしたいい考えじゃない。
ハワード、家事はとても大変で大切でそして必ず誰かがやらなくちゃならない仕事なのよ。」
メ「そうだなまずは住むところだな。
幸いこの星は10年も生きたものなら一人前だ。
扱いは大人とほとんど変わらない。
お金さえなんとかすれば問題ないだろう。」
立ち上がって背伸びをするルナ。
ル「うーん。なんだかやっていけそうな気がしてきたわ。
見て、きれいな夜空。」
みんなで見上げた星空。
見慣れた星座はないけれども、ここには本物の星が瞬いている。
流れ星が一筋、空を走っていった・・・・・・