そなえつけの浴衣に着替えた面々・・・

シ「お疲れ様、メノリ。」

チ「お疲れさんメノリ、ゆっくり身体を休めるんやで。」

メ「ありがとうみんな。」

ベ「俺がマッサージをしてあげるよ。」

メ「できるのか?ベル。」

ベ「うん。現場では疲れた人が多いからね。色々重宝してもらってるよ。」

シ「うまいんだよ。ベルのマッサージ。僕もよくやってもらってるよ。」

ル「私やカオルもよくやってもらってるわ。」

カ「ああ、よく世話になってる。」

メ「そうか。ではお願いする。」

ハ「気をつけろよ。ベルの手はやらしいからな。」

ベ「な、なにを言うんだよハワード。」

チ「ベル、声が裏返ってるがな。」

みんな「あっははははははは・・・」

ベ「あ、はははは・・・」

苦笑いしながらも嬉しそうなベル。

ベ「そんなことないからね。メノリ。」

メ「わかってるよ。」

チ「ベルの嫁さんは幸せになるでえ。」

ア「メノリ。」

ル「アダム、起きてきたの。」

ア「おかえりなさい。」

メ「うん。ゴメンなアダム。かっこ悪いところを見せて。」

ア「ううん。ねえ僕あれからヴァイオリンの練習したんだよ。」

メ「弾けるようになったのか?」

ア「うん。」

ル「あ〜えーと、その・・・」

シャ「触りだけね。」

ア「うん。」

メ「聴かせてくれるか?」

ア「うん。」

ル「もう遅いんだから静かにね。」

小声でささやく。

子供用のヴァイオリンを精一杯手を伸ばして音を出す。

ぎこー

音を楽しむといえるものではない。

演奏を終えて素早くペコリと頭を下げる。

パチパチパチパチ

ル「メノリ?」

メ「いい音楽だ。アダムの一生懸命さが伝わってきた。その気持ちを大事にな。」

ア「うん。」

メ「色々と厳しい世界で通用したのは、がむしゃらな一生懸命さだけだった。

それに私もアダムに教えられたよ。

 本当の笑顔じゃないと、人の心を本当に動かすことはできないってな。」

ル「メノリ・・・」

メ「もう一度一からやってみるよ。」

ハ「もう無理しなくてもいいんだぜ。」

シ「そうだよメノリ。」

優しく首を振る。

メ「そうじゃないんだ。今度は本当にやってみたいんだ。

 自分の意志で、本当に本気で。」

シャ「メノリ。」

メ「みんなそれぞれ自分の世界で精一杯やっていた。

 私はみんなとは別に頑張ってると思ってた。

 でもそうじゃなかった。

 みんな繋がっていたんだ。

 それがわかって嬉しかった。」

ル「メノリ。」

メ「もう一度頑張ってみるよ。」

チ「絶対無理したらあかんでえ。」

メ「ああ。」

 

 

星「・・・まだ騒いでおる。夜も遅いのにのお。三毛しゃん。」

相変わらず眠そうな三毛さん。

あくびをひとつ。

星「まあ今日くらいはなにも言わんのが人として大事な情けじゃの。

そう思わんかい三毛しゃん。」

あくびをもうひとつ。





       



前ページ     次ページ

戻る