気 |
人間を生かしているエネルギー、つまり生命力そのもの。
気のめぐりが悪化すると、バランスを崩して上半身に気が上昇したり、気のめぐりに滞りができたり、気が減少したりします。
「気」の異常には気滞と気虚があります。 |
気滞 |
気が滞っている状態。
静的な滞りである「気うつ」と動的な異常である「気逆」があります。 |
気うつ |
気がうっ滞した状態で、気力がなく憂鬱、倦怠感、日中眠い、食欲がない、便通異常、呼吸が浅い、息苦しい、腹壁全体が軟弱等の症状を特徴とします。 |
気逆 |
気が逆流し、上昇する状態で、上半身ののぼせと下半身の冷えが同時に起こるのが典型的症状で、不眠傾向、腹部膨満感、腹部の強い痛み、ゲップ、乳房の張り、イライラ感、動悸、過呼吸、頭痛・頭重感などもみられます。 |
気虚 |
気が減退・減少した状態で、原因の多くは胃腸虚弱による消化吸収機能の低下です。
疲れやすい、食欲がない、眼光や声に力がない、気力も乏しくなり、めまい、立ちくらみ、風邪をひきやすい、下痢傾向などの特徴がみられます。 |
血
(けつ) |
「血(けつ)」は「気」によって巡らされている液体のこと。
栄養をつかさどり、いろいろな病気の因子からからだを守るもの。
さらに、生理的恒常性(ホメオスターシス)を守る働きもあります。
生理的恒常性(ホメオスターシス)とは、外界の環境が変化しても体内環境を一定状態に維持する作用で、呼吸、体温、水分などが過剰または欠乏に傾くと自動的に平衡状態に戻そうとするもの。
そのバランスを調節しているのが自律神経とホルモンですが、漢方では「血」の乱れが生理的恒常性(ホメオスターシス)を乱す元凶と考えます。
「血」の異常には血実、血虚、瘀血があります。 |
血実 |
血が多すぎて、充血している状態 |
血虚 |
血が不足している状態で、血色不良、皮膚の乾燥、目のかすみ、不眠、手足のしびれ、けいれん、腹直筋のこわばり、生理不順などがみられます。 |
瘀血 |
血がスムーズに流れず停滞している状態、ならびにその状態がもたらす異常。
口の渇き、下腹部痛、脇腹や腹部の圧痛、肌荒れ、肌の黒ずみ、色素沈着、手のひらの赤らみ、目の下のくま、赤黒い顔いろ、歯ぐき・舌・唇が赤い、毛細血管の露出、熱感、神経症状、月経異常、痔などが特徴です。
漢方では瘀血を重視します。 |
水
(すい) |
体内にある「血」以外の水分を指します。
「気」とともにからだを巡るもので、体液や分泌液、尿や浸出液のこと。
水の異常には水毒があります。 |
水毒 |
水の停滞や偏在そのもの、またはその結果による異常症状を指します。
口の渇き、むくみ、頭重感、めまい、動悸、息切れ、咳や痰、けいれん、関節痛、手足の冷え、水太り、腹部のゴロゴロ音(腹鳴)、胃内停水など。
急性アルコール中毒、熱中症、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、神経痛、腎障害、関節リウマチなどが水毒によるものとされています。 |