テレビや新聞でご存知の方も多いと思いますが、先日12月1日から4日まで広島地方裁判所で裁判員制度模擬裁判が行われました。来年からスタートする裁判員制度を前に選任手続きから判決までを本番どおり行い、法曹三者がそれを検証するのが主なねらいでした。

2008年10月22日頃、広島地方裁判所からA4サイズの封書が届きました。
 “なんじゃ、こりゃ?「刑事訴訟事務室」?…えーっ何かやらかしたかしら…もしかして酔っ払った拍子に…”ドキドキしながら開封してみると、それは「模擬裁判員等選任手続期日のお知らせ(呼出状)」で、刑事事件の模擬裁判の裁判員候補者になったので12月1日9時30分に裁判所に来ること、選任されたら12月4日まで公判があること、などが書かれていました。また、裁判員になれない理由や、辞退の希望とその理由を記入する質問票が同封されていました。
 私は、せっかくの機会なので上司に相談し休暇を取って出向きました。
 12月1日、裁判所の候補者待合室には20数名の番号が貼られた席とお茶などが準備されていました。待合室はもう一箇所あり、合計約50名の裁判員候補者の中から6名の裁判員と2名の補充裁判員が選ばれるわけです。 
 はじめに選任手続きの流れが説明され、事件の概要を簡単に話されました。これは裁判員候補者が事件関係者と関わりがないかを確認するためです。 

                    

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広島県手話通訳士協会

裁判長からどんな質問をされるのだろうかと構えていましたが、実際には事前の質問票で裁判員になることに特に問題がないと回答した人はグループでの面談で個別質問もなく「よろしくお願いします」の一言で、正直ちょっと拍子抜けしました。その後は選任発表まで約2時間フリータイム。くじは私たちの目前で行われるのでなく別室でされ、ホワイトボードに宣 誓番号が記入されるのです。私は2番で最初に書かれたのが「9」 ありゃー・・8人を選ぶために50人の召集・・個別質問もない、50人には交通費と日当が支給されるとなると何かもっと召集方法に工夫ができないものかなあ思いました。
 
 補充にも選ばれなかったので、帰ろうかと思ったら、午後から法廷見学と模擬裁判の傍聴ができると言われたので、冒頭手続き・冒頭陳述・証人の取調べを傍聴しました。ディスプレイを活用して時系列表や立証しようとすることなどが裁判員にも分かりやすい説明でしたし、40〜50分に一度休憩が入り、かなりこれまでの裁判よりは配慮されていると感じました。

                   中本 智子

選任手続きの流れ

質問票(当日用)の記入
    ↓
質問手続
(裁判長からの質問)
    ↓
くじによる抽出
    ↓
6人の裁判員・2人の補充裁判員選任
2009年1月広島県手話通訳士協会会報より
 裁判員制度模擬裁判ちょこっと体験記