新聞に無保険の障害者の話が載っていました。保険がないということは、医療費が全額自己負担ということです。

 2年前の秋、長年の夢だった「豪華客船2泊3日釜山への旅」にいきました。日本籍の船で医務室もあり、船医さんも看護師さんも常に乗船しておられ、軽い病気なら心配のない船ですが、だだ『保険はきかないので、旅行保険に入られる事をおすすめします』とパンフレットに書いてありました。一応、注意書きは読みましたが「病気なんかしないやい!」と旅行保険には入らないまま、乗船しました。

 意気揚揚と出港です。ウエルカムシャンパンを飲みながら「へェ〜、ほんとに出港の時(蛍の光)が流れるんだ。紙テープ投げるんだ」と感心していました。そのあと、前日嬉しくて興奮してあんまり寝てなかったので、ちょっとお昼寝をしました。

 お昼寝から起きた時、さぁ、大変。体の節々が痛くてダルイのです。同行していた姉が、「お花が、そんなふうになるのは、おかしい。とにかく医務室に行って診てもらおう。」と医務室に連れて行ってくれました。


 そこは、ちょっと狭いけどとってもりっぱな医務室でした。
先生も看護師さんたちも、優しく親切な方たちでした。熱をはかって、
採血して、薬をもらって、点滴して、ふらふらしながら船室に帰りました。
クルーの方に氷枕を持って来てもらったり、メニューにはないお粥さんを
シェフの好意で作っていただいたり、船の乗務員の皆さんには、本当に良く
していただきました。


 診断結果は、「普通の風邪だと思いますが。白血球が異常に多いので、念のため点滴を続けましょう。」でした。結果、私は2泊3日の船旅の間中船室と医務室の往復をして過ごしたのでした。

 「ま、いいか、他の人が経験できないことを経験したんだし、皆に良くしてもらったし。」と思っていたのですが、下船の時、医療費の請求書を見て吃驚!! なんと、6万円!!この時、初めて「ああ〜保険に、入っておくべきだった!!」と、心底思いました。「保険ってありがたいものだ!」とも思いました。でも、これは、私のミスです。「自己責任の6万円はしかたがない」とあきらめます。    

 けれど、冒頭に書いた無保険の障害者のこと。その人は到底ご本人の責任とは言えないさまざまな事情により、国民健康保険に入りたくても入れない状況にありました。そんな人達は、どうなるのでしょう。                    
                                      
                               わたしは、お花


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広島県手話通訳士協会
初出です
無保険の障害者