今年のろうあ者大会はつくばでありました。
 秋葉原から つくばエクスプレスで45分、あっという間です。

 分科会A障害者権利条約の会場は満員、熱気にあふれていました。
 日本障害フォーラム(JDF)幹事会議長の藤井克徳氏による講演、続いて、小中氏のコーディネートで、藤井氏、神林氏(内閣府政策統括官付参事官付補佐)、山口氏(全国ろう重複障害者施設連絡協議会会長)、松本氏(全日ろう連福祉対策部長)によるパネルディスカッションが行われました。

 ご存知のように障害者権利条約は「私たち抜きで、私たちのことを決めないで」 ということで、当事者参加により議論が進められました。
 特に 私たちが今後議論し、取り組んでいかなければならなうことは、「合理的配慮」をどのように実現していくか、だと思います。「合理的配慮」という言葉はよく聞きます。
 合理的配慮とはどのようなことか、どのような状態になれば合理的配慮があるというのだろうか、など、具体的に考えていかなければならないと思います。

 障害者白書平成21年版には、「障害のある人から見た障害を理由とする差別の事例」「教育・育成サービス等に関する障害のある人の評価」が掲載されています。これらがきちんと政策に反映されるように取り組んでいかなければなりません。いえ、それよりまえに ろうあ者にとって、聞こえないことを理由とする差別の事例をもっともっと出していく必要があるのではないでしょうか。 

 飛行機でキャビンアテンダントが「飲み物は何になさいますか?」と回ってきますよね。帰りの飛行機で私は コンソメスープを飲んだのですが、横の席のろうあ者は、コンソメスープがあることをこの時まで知らなかったそうです。口話だけで言われてもわかりませんし、繰り返し尋ねるのも遠慮して結局無難なところで「コーヒーかお茶」になってしまうのです。 そのろうあ者は勇気を出して、キャビンアテンダントに 訴えました。「聞こえないので、音声で話しかけられてもわからない。せめてワゴン1つに簡単なメニューを添えておけば聞こえない人にもわかるのでは」と。 そこで一つわかったこと。その月限定の飲み物があり、そのメニューは座席の前にある雑誌に必ず載っているということ。えーーーそんなの知らなかった。みなさんご存知でした?期間限定物大好きな私としてはくやしい。

 何はともあれ、聞こえる人には当然享受できていることが、聞こえないことが理由で享受できてない、つまり、コンソメスープがあることをしらなかったことは 飛行機会社の合理的配慮に欠けているところであろうと思われます。今回はチーフキャビンアテンダントが「申し訳なかった、必ず上司に伝える」と約束してくださいました。今後は、当事者の声を真摯に聞き、それをしかるべきところにあげていく取り組みが必要です。
 「私たち抜きで、私たちのことを決めないで」 を今一度心に刻み、ともに歩んでいきましょう。

 折角つくばまで来たからにはあれもこれも堪能しなければ!! 銀座でオープンしたばかりの「花畑牧場カフェ」で生キャラメル入りのアイスクリームを食べ(思ったより激うまっ)、銀座のど真ん中で韓国料理を980円で食べ(安いっ!!)、原宿のH&Mでソックスを、その隣のフォーエバー21でTシャツをゲット!!(激混みっ)     
 全国ろうあ大会を満喫しました。

                                 唐澤 美加

                          

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広島県手話通訳士協会
2009年7月広島県手話通訳士協会会会報より
全国ろうあ者大会に行ってきました!!