今年の春、4月4日から始まった「手話通訳士養成講座(広島会場)」が、秋も深まり始めた9月26日の今日、最終日を迎えて終了した。
講師を担当された広島県ろうあ連盟の蔵本さん、広島県手話通訳士協会の中本さんには、大変にお世話になった。 そして、半年間一緒に勉強をさせてもらった受講生のみんなには、大変感謝している。
講座を手伝った後ろの席の県士協会メンバー3人は、受講生のみんなの頑張りに触れてたくさんの刺激をもらった。みんなの聞き取り表現を見て「なんでこんなに難しいのが表せるの…?」、読み取りの声を聞いて「こんなに読めるなんて…、マジすか?」 毎回毎回「私も頑張ろう!」との気持ちを新たにするようだった。
さて、どちらかといえば、私は聞き取りよりも読み取りが好きなのだが、読み取り通訳は時に「勝負」だと感じることがある。講演やスピーチ、或いは、交渉、会議…。次々と繰り出されるろう者の手話に怯えず、負けず、精いっぱいの力でもって読み取ること。これは「ろう者の手話」と「通訳者である自分」との勝負だと感じるのだ。私の場合、それくらいの気概でぶつかっていかないと、すぐに負けてひっくり返されてしまう。
先日、9月12日の手話通訳者特別研修会、千葉県からお迎えした講師の山口千春さんは、読み取り通訳は「瞬発力」だと言われた。この言葉に、あぁ、そうそう、そうだ!と実感する。ばねのように力を溜め込んで、その力を一気に働かせる「瞬発力」。私の場合、それを「勝負」という言葉で感じてきた。
さあ、10月3日と4日は、手話通訳技能認定試験(手話通訳士試験)の日。これまで勉強や実践を重ねて溜めてきたみんなの力を、この日は、「瞬発力」でもってばねのように最大限力強くはずませてほしいと願う。 そして、今後、通訳現場を共にする時は、私たち、一層の良きペアとなろう。そこが、聞こえない人も聞こえる人も対等にやっていける社会へとつながる目的の場所であり、次の現場への始発点ともなる。 半年間、お疲れさまでした。そして、心からありがとう。 (S) |
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9月の空 |