広島県手話通訳士協会
2008年6月広島県手話通訳士協会会報より
「人との関わりの中で、あなたが大切にしていることは何ですか?」
漠然とした問いかけですが、目を閉じて5分間振り返ってみてください。
きっと、それぞれに大切にしていることはたくさんあると思います。
私たちは生まれてから、家族、地域、社会など人と関わる中でマナーやモラルを身につけ成長してきました。「挨拶をしよう。」「返事をしよう。」「嘘はつくまい。」「約束は守ろう。」など、ごく当たり前のモラルでさえ、低下しているのではないかと感じるのは私だけでしょうか。当然、価値観は人それぞれですが、それでも最低、これだけは守らなければ、大切にしなければ、人や社会との信頼関係が築けないこともあるような気がします。
ある地域のろう者団体から「委託事業の登録通訳者研修会の案内を返信用封筒まで同封して送付したのに、近年、半数近くが返事さえしない。通訳者のモラルはどうなっているんだ。」とお叱りを受けました。出し遅れることもある私自身も大反省です。
追い討ちをかけるかのように、『翼』197の8ページ上段の数字が目に飛び込んできました。
日本手話通訳士協会第18回定期総会出席数と委任状
会員数 1402 定足数 701
出席数 59 委任 686
半数近い人がハガキを出していないのか、ハガキは出したが委任をしなかったのかは、ここからは読み取れませんが、気になる数字です。
「日本手話通訳士協会は『手話通訳士倫理綱領』のもとに集まっており、はっきりとした目標を掲げている。社会に正当に評価されたいと願うと同時に、評価されるために成すべきことを成さねばならない。組織にとって一番恐ろしいことは『無関心』という病だと思う。私たちは手話通訳士資格をもっている自覚と、手話通訳士の職務を広げ、社会的に認められるというしっかりとした動機が必要である。そして私たちが結集し作っている当協会の活動や将来に関心を持ち大いに関わってほしい。」小椋会長の文章に胸が熱くなりました。
まずは、地域の仲間たちと再確認してみませんか。来たものはしっかり読み、返事はきちんと出す人でありたいと。
ちなみに、我が家で大切にしていることの一つは、夕食前に「今日も1日お疲れ様でした!」とグラスを傾けることです。
中本 智子