先日、朝刊のある記事が目に留まりました。[10年度入社に向けて学生たちの就職活動が始まっている。この数年、多くの企業が求職者に「コミュニケーション力」を求めている。だが、具体的にはどんな力を指すのだろうか、改めて考えてみたい。](毎日新聞2008年10月26日)というものでした。私たちにとっても大切な力なのでご紹介します。
(1)多様な対人関係能力
ある大学生と企業を対象に実施した調査によると、企業側が採用試験で重視するのは「対人コミュニケーション力」が最多の77%、次いで「仕事への意欲、興味」64%。大学生も「コミュニケーション力」が大切だと考える人が一番多かったのですが、その割合は46%でした。調査を行った方の話では、「学生が考えるコミュニケーション力と、企業が求めるコミュニケーション力には距離があるようだ。学生は『話す力』『人と仲良くする能力』ととらえがちだが、企業は、職場内における上下関係や顧客との接し方、チームで仕事をするときの協調性など、さまざまな場面での対人関係能力を求めている。」そうです。
(2)的確な意思疎通の力
コミュニケーション力を磨きたいという学生のニーズに応える講座を設ける大学も出てきており、そのセミナーの関係者は「自分の気持ちを相手にきちんと伝えるとともに、相手が言いたいことを理解できる力は一朝一夕には育たない。」と狙いを話していました。
セミナーでは、会話の基本的なマナーをはじめ、さまざまな対人関係をロールプレーで学ぶとありました。
(3)互いの信頼力、人間力
「コミュニケーション力は円滑な人間関係だけでなく、企業内のメンタルヘルス向上にも重要な役割を果たす。」メンタルヘルス研究所の調べでは、組織全体のコミュニケーション力と働く人の心の健康度は比例し、『声かけ』『あいさつ』『方針目標』の3点がきちんと行われている職場は、そうでない職場に比べ、心の病を訴える人が少なかったといいます。
「『声かけ』は情報収集や仕事の進み具合の管理、部下の指導につながり、『あいさつ』は互いの気持ちの交流を促し、『方針目標』は、組織全体の目的を明確にすると同時に、一人一人がすべきことがはっきりと分かる効用がある。この3点はコミュニケーション能力そのもの。コミュニケーション力は、情報や言葉のやりとりだけではなく信頼力、人間力そのものといえる。」
この記事を読み終えて、未熟な自分を恥じ入っています。人として、そしてコミュニケーション支援に携わるものとしても、しっかりコミュニケーション力を身につけ、みんなとさらに元気で活動できるように頑張ります。
中本 智子