熱い夏の闘いが終わりました。衆議院選挙の手話通訳に携わられた皆さん、本当にお疲れ様でした。ろうあ運動に新たな一ページを刻んだ今回の選挙、これまでになく開票速報を見入っていました。

 余談ですが、選挙になると思い出すことがいくつかあります。立会演説会がまだ行われていた頃、県内十数カ所でほぼ同時期に開かれ、手話通訳者の数も足らず、若輩者の私にも声がかかりました。政治に無関心だった私は真っ青! おまけに離島へ一人船に乗っていく心細さと船酔いでさらに真っ青! 港へ出迎えてくださった職員の方は“なんと頼りない奴が来た”と思われたことでしょう。冷や汗たらたらの通訳を終え、帰りの船から見える海が涙で歪んでいたのを憶えています。

 こんなこともありました。二十年以上も前のこと、所属していた手話サークルの先輩から「今度の市議会選挙、○○党から立候補しないか?」“はぁー?なんで私??” 別な先輩からは「ねぇ、○○党の新聞とってくれない? 入党してみない?」…“手話活動って政党活動もするの?”なんて思ったことがありました。

 さて、今回の衆議院選挙は歴史的な結果をもたらし、民主党を中心とする新政権への国民の期待は日増しに高まっています。2009年9月4日に(財)全日本ろうあ連盟は民主党に対し、緊急の要望書を提出しました。

<一部抜粋>
 1.現行の障害者自立支援法のうち、応益負担制度および給食費などの実費負担を廃止し、また事業所に対する報酬の日額払い方式を月額払い方式に改めてください。

 2.さらに、手話通訳・要約筆記は権利として保障され、通訳を利用する者に負担を求めないことを明記してください。

 3.障害者自立支援法の廃止に伴う新たな法律の制定については、今秋中にその段取りとスケジュールを示してください。

 4.貴党が提唱している「障害者制度改革推進法」並びに「同本部の設置」について、障害当事者団体が検討作業に参画できるようにしてください。

 今後、マニフェスト行使に向け、さまざまな議論や取り組みが展開されます。
 私たちも大いに関心をもち、誰もが住みよい社会の実現に向け、一層取り組んでいきましょう。

                                     中本 智子

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広島県手話通訳士協会
2009年9月広島県手話通訳士協会会報20号より
  政権交代、今後の暮らしは…