広島城の植物

広島城には、沢山の植物があります広島市青年緑化協会編「中央公園周辺樹木現況図集」によると、樹木だけで1397本あるようです(1981年調べ)。広島城の植物について、まとめてみました。

桜の木
城内には桜がたくさんあります(ちなみに、2005年3月15日号の市民と市政=広島市役所の広報紙によると、広島城内の木は、480本あると記載されています)。
花見のシーズンになると、朝から夜まで、沢山の花見客が城内で桜を楽しみます。

天守閣入口(南側)からみた桜と天守閣
2006年もっともみごろ だった
広島城の4月7日朝〜昼の桜
南からみた広島城天守閣
東からみた広島城天守閣 こちらは内堀の外側、南西からの遠望。広島城の堀の外、西側にも桜が広がっています。こちらからこのようなアングルで撮るとキレイ!!!
7日は、空も青くて、本当にきれいでした。写真は、朝の出勤時と昼休みに撮ったものです。こういう太陽光線の強い日は、東面からは朝、南面からは昼に撮るのがポイントです。



タンポポ
広島城には在来種がある!

3月頃から5月中旬にかけて、広島城内のあちらこちらで咲く花にタンポポがあります。

よく見るタンポポは、外来種(セイヨウタンポポ)ですが、広島城は、堀によって生態系が守られていたため、昔からの自然が残っています。そのため、市内ではほとんど消えてしまった在来種のタンポポが沢山咲いています。
基本的には、工事などをせずにそのまま残っている場所には在来のタンポポが見つかるのだそうです。土をひっくり返したりすると、単純になった土地に外来種(セイヨウタンポポ)が入り込んでくるそうです。

広島城で見ることのできるカンサイタンポポ(右上写真)は、いわゆる在来種ですが、一見外来種と区別が付きません。春先には、広島城内の各所で見ることができます。もっとも、人が多く通るところには、外来種(セイヨウタンポポ)が混在しています。シロバナタンポポ(右下写真)も在来種です。こちらも、広島城内でぱらぱらと見ることができます。

ちなみに、広島市こども文化科学館では、こどもを対象に毎年4月ころにたんぽぽ調査の教室を実施し、これらのたんぽぽの分布調査をしています。

以上、たんぽぽ情報については下の後姿の写真の学芸員の協力を得ました。
カンサイタンポポ
シロバナタンポポ
広島城天守閣から、15分ほどの距離に、科学館があります。そこでは、毎週のようにこども(場合により大人)向けの様々な教室を実施していますが、春には、フィールドワークを実施し、毎年広島城内のタンポポの生態調査を実施しています。
なぜ広島城内で実施するのかというと、広島城内には、日頃我々が見る西洋タンポポではない、在来種のタンポポがたくさんあるからです。
19年度は「タンポポマップを作ろう」と題して、4月8日(日曜日) 午前9時半〜12時対象 小学校1-6年生(1-4年生は保護者同伴)定員20人参加費 200円で実施することが決まっています。申し込み〆切はすでに過ぎているようですが、詳細は広島市こども文化科学館公式HPまで。
17年度・18年度と教室の様子を少しのぞいてみましたが、見分け方を教えてもらってから、子供達が一生懸命探していました。

そういえば、昨年度担当だった学芸員さんは、教室開催前の2月から一生懸命下見をしています。もしかしたら今年も写真を撮りに来るのかもしれませんが、決してあやしい人ではありませんので、よろしく。むちゃ熱心です。
この人です。顔が見えなくて残念


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被爆樹木

広島城の内堀内及び近くに残っている被爆樹木を紹介します。

クロガネモチ

広島城の本丸 大本営跡の前にあるクロガネモチ は 爆心地から910mの距離で被爆しました。3本の木が現在も被爆樹木として残っています。この下の写真は、2005年3月5日に、樹木医がこの木を延命治療したときのものです。
広島城 本丸 クロガネモチ

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マルバヤナギ

中御門近くの土橋の際にたたずむこの柳は、アカメヤナギとも呼ばれます。爆心地から770mの距離で被爆しました。幹が空洞になっており、痛々しい姿をさらしています。

下の写真は、2006年1月上旬に撮影したものですが、初詣客がおみくじを枝にくくっています。けなげに生きる被爆樹木であるという事実を全く無視しています。ぜひやめてほしいですね。
広島城 本丸 マルバヤナギ

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ユーカリ

ユーカリは、土橋を挟んで、マルバヤナギの対角にあたる場所に位置します。爆心地から740mの距離で被爆しました。上の写真は北側から撮影したもので、奥に見えるのは二の丸の復元建物(右は表御門)、さらに奥にリーガロイヤルホテルが見える。



下の写真は、南から本丸に向けて撮影したもので、の奥右手にあるのが、マルバヤナギです。土橋をはさんで、向かうような位置関係にあります。


撮影が夏なので、上にあるマルバヤナギの写真と比べて、葉がたくさんあります。
広島城 二の丸 ユーカリ

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クスノキ

広島城の内堀の外、北東隅に被爆したクスノキがあります。写真は、北東側から撮影したもので、奥に広島城天守閣が見えます。撮影位置あたりに、陸軍幼年学校(詳しくは広島城の近代のページにあります)の門柱があります。こちらは、2004年3月に延命治療が行われたそうです。
広島城内堀外 クスノキ

余談
2005年夏、広島市植物公園で、被爆樹木に関する企画展示が行われていて、見学しました。被爆樹木とは、2キロ以内で被爆をして、今でも生存している樹木のことですが、どのような種類の樹木が被爆に耐えた、それぞれの植物学的特徴など、植物の専門施設らしく、すばらしい企画展示でした。現在150本ほどの樹木が健在とのことです。少し足を伸ばすと、広島城の周辺にも沢山ありますし、城下町探検の折などに寺院を回ると、よく被爆樹木が境内などにあることがあります。ぜひ広島城見学とあわせて、被爆樹木にも目を向けてください。

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