正木大善の妻
   

正木大善の妻(玉尾の方)




「正木の笄(こうがい)の井戸」

岡山市米田の東南操山に正木城址がある。
城主は正木大善
大善については色々伝説があり、土地では里見八犬伝に現れる正木大善だと信じ
られている。(宇喜多家臣伝説 有)

当時は二大勢力の浦上か松田に所属している乱世の世であった。
落城寸前の日、大善の妻玉尾の方は
「私どもがいましては、きがかりで十分な働きも出来ないと思いますので、
一足お先に参ってお待ち申し上げます。」と、姫君初瀬を抱いて
馬で正木山を駆け下り、山の東南のふもとの井戸身を投げた。
毎年うら盆が来ると この母子身投げの井戸が急に濁って、
大善の妻がさしていた笄が(かんざしのこと)水面に浮かぶと噂が流れ、
土地の人は最明寺の住持に頼み回向(死者の成仏を願って供養すること。)
保村会を作り、修理、毎年お盆には回向されていると言う。

  
(正木城址)
(笄の井戸)
 (百間川沿いの看板)
                      

・・・勝手な感想・・・

百間川沿いに 突然その井戸はある。
正木山に登ってみたが正木城址を示すものは何もない。
本丸があったのではないかと思われる郭から井戸の場所を感じる事が出来る。
ここから馬で駆け下りて、あそこに・・・・と思うと少し怖い。
戦国時代、悲壮な最期を遂げた武将の妻は沢山いるだろう。
名前すら・存在すら残っていない姫も多い。
こうして、土地の人に守られ供養されている大善の妻、玉尾の方
成仏していて欲しい。