正しい傷の手当て 本文へジャンプ





フットケア


▪ 自分の足に関心を持ちましょう
 観察,清潔,保護
 傷ができやすい方や治りにくい方は,禁煙!
 靴にも注意
 場合によっては,「自分を変えてください」

 

イメージ糖尿病性潰瘍

 糖尿病の方で足に傷ができ,進行して壊疽から切断となる方がいます。糖尿病では,神経障害や動脈硬化,免疫力(体内にばい菌などが入ったとき対応できる力)低下のため,傷ができやすく酷くなりやすく,そして治りにくいので,フットケア(足の手入れ)の重要性が強く叫ばれています。フットケアで大事なのは,やはり足の観察と清潔,保護です。この3つの言葉は,創傷ケアや褥瘡ケアで重要な観察,洗浄,自己治癒力発揮のための環境作りと相通じる考え方と思います。
 足に関心を持ち,しっかりと観察しましょう。足の甲も裏も指の間も,皮膚の色,腫れ,カサつき,傷の有無,爪,皮膚の感覚や温度など見て触って観察してください。角質が厚いところは,歩くときに無理な力が加わってはいないでしょうか。傷ができて出血したり滲出液が付いているのがすぐわかるように,靴下は白い色のものがよいとも言われています。しかし,靴下を見なければ(観察しなければ)意味がありません!毎日しっかりと観察するのが良いのですが,無理であれば一週間で曜日を決めて,1回でも2回でも観察してください。決めた日ではなくても,今日はよく歩いたと思われる日は,ちゃんと観察しましょう。
 足浴や入浴では,石鹸などを使って洗います。知覚の障害のある方では,高温のお湯によるやけどやタオルなどでの擦り過ぎによる傷の発生に注意してください。傷があっても,かなりの場合で洗うことはできます。心配であれば,専門医に相談してください。足を洗うのは清潔にしたり血行改善目的ということもありますが,精神的にも心地よいものです。
 爪で周囲皮膚を傷つけることがあります。爪切りや爪用のニッパーで丁寧に切ってください。指先よりやや短い程度,両端の角は尖っているのを除去する程度として深く切り過ぎないようにしてください。爪の先の白いところが全くなくなったり,両端を深く切り過ぎないようにすべきです。爪用のやすりを利用するのも効果的です。湾曲して変形した爪(陥入爪など)で傷ができ,ひどい感染を起こすことがあります。このような場合,ちょっとした傷でも早めに病院へ行きましょう。足や爪の白癬(水虫)も治療すべきです。
 タバコは,血管の収縮や動脈硬化の促進,免疫機能低下による創傷治癒の遅れ,
運動能力の低下による日常活動の障害などを起こすことがあり,創傷治癒の点から考えると有害無益のものです。禁煙しましょう。下肢の血管性病変や糖尿病性潰瘍の方は,必ず禁煙してください。禁煙は,世界的な流れでもありますし。
 足の具合が悪い方は,靴に注意してください。硬い靴や窮屈な靴やかかとの高い靴は禁止です。つま先や横幅がゆったりとした靴を履くべきです。
 もちろん,糖尿病の治療は専門医の先生からきちんと受けてください。足も,足の傷も体の一部です。体の調子が良くないと足の具合も良くなりません。
 視力や四肢などの障害があったり寝たきりの方など自分でケアができない方は,ご家族などにケアをしていただくことになりますが,可能な方は自分でケアしましょう。やはり自分自身が,変化に気づきやすくケアもしやすいと思います。何といっても,自分の足です。そして,傷を治すのも自分の体の力ですから。
 糖尿病性潰瘍などが実際にできてしまった場合,傷の手当ては創傷ケアや褥瘡ケアと同じです。感染の予防や改善,壊死組織(傷んで血液の流れが無くなった組織)の除去,湿潤環境の維持を行ないます。傷の部位や状態にもよりますが,傷が治るまで歩けないということはありません。お風呂に入れないということもありません。
 ところで,「頑固」,「自分勝手」,「わがまま」,しかし一方で「気が弱い」,もしこのような気持ちを持っていたとしたら,足の観察もケアも医療機関での治療もうまくできません。足の傷が悪くなっていくのであれば,今までの考え方や治療方法が良くない可能性があります。自分自身,気持ちの持ち方を変える必要があります
切断は他人事ではありません。足に大いに関心を持ってください。
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糖尿病患者様の足です

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陥入爪

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著明な爪の変形と角質増殖

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足趾の変形と角質増殖

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